(5/20) セミナー「リチウム電池の未来」(大阪科学技術センター)
主催
化学工学会関西支部
協賛
応用物理学会関西支部、大阪工研協会、近畿化学協会、電気化学会関西支部、日本エネルギー学会関西支部、日本化学会近畿支部、日本機械学会関西支部、有機合成化学協会関西支部
リチウムイオン電池は、その電力貯蔵性能の高さから、携帯機器では必須のデバイスとなり、さらに輸送機器、電力貯蔵用途などへ大きく成長し我が国の根幹事業となりつつあります。しかしながら、技術的問題点が十分に解決されたわけではなく、そしてさらなる性能向上・市場開拓を目指して、新規素材・製造法に関する基礎・応用研究が積極的になされています。本セミナーでは、リチウムイオン電池に関する現状と最新の技術について、専門の講師の先生方に解説していただき、リチウムイオン電池の未来について議論することを目的としています。皆様の積極的なご参加をお待ちしております。
日時
2013年5月20日 (月) 13:30~17:30
会場
大阪科学技術センター7階700号室
(大阪市西区靭本町1-8-4、TEL.06-6443-5324)
<交通>地下鉄四つ橋線「本町」駅25・28番出口より北へ徒歩約7分、うつぼ公園北詰め.
http://www.ostec.or.jp/data/access.html
プログラム
開会挨拶(13:30~13:35) | |
1) | 【基調講演】リチウムイオン電池の高性能化と安全性の両立に向けて -ナノ材料技術と電池製造技術の役割-(13:35~14:15) |
(独)産業技術総合研究所 ユビキタスエネルギー研究部門 上席研究員 境 哲男 氏 |
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リチウムイオン電池は、携帯用途で1兆円の市場を獲得しており、今後、電池を大型化して自動車用途や電力貯蔵用途で利用が進むと、数兆円の市場に成長することが期待されている。ただ、現状の電池を大型化すると、安全性や高温での性能劣化などの問題が発生しつつあり、電池マネジメントだけでなく、材料や電極レベルでの変革を行なうことが必要となっている。炭素系負極から、ナノサイズのスズ・シリコン系材料と耐熱性バインダからなる負極に変更することで、-30℃から120℃まで作動でき、かつ、釘刺し試験でも熱暴走しない電池とすることができる。正極では、活物質表面のナノレベル被覆や耐熱性バインダの使用により耐熱性の向上が図れ、また、高温で酸素を発生しにくいリン酸鉄やシリケート、イオウ系材料の採用で、過充電時の熱暴走を抑制できる。これら新材料や新バインダの採用においては、ナノ粒子の混合技術や塗工技術など粉体技術と電池製造技術の変革も求められる。 | |
2) | 硫化物系無機固体電解質を用いた全固体リチウム電池(14:15~14:50) |
大阪府立大学大学院工学研究科物質・化学系専攻応用化学分野 教授 辰巳砂 昌弘 氏 |
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これまでに演者らは、電解液に匹敵する高いリチウムイオン伝導性を有する硫化物ガラスセラミックスを開発し、それらを電解質として用いた全固体リチウム二次電池の試作と評価を行ってきた。ここでは、固体電解質材料ならびに全固体電池用電極材料に対する演者らの考え方、またそれらを用いて試作した全固体リチウム二次電池の特性、さらに全固体電池実現に向けての今後の展望について述べる。 | |
3) | 電極材料へのナノファブリケーション(15:00~15:35) |
神戸大学大学院工学研究科応用化学専攻 教授 水畑 穣 氏 | |
高容量二次電池の候補の一つである次世代リチウムイオン電池については、より高エネルギー密度の電極材料の利用による高容量化が試みられている。近年、材料をナノオーダーにサイズを制御し、その特徴を生かした様々な研究が試みられている。本講演では、金属ナノ粒子の合成法として常温常圧下における合成法を用いるソフト溶液プロセスを用いさまざまな電気化学材料を合成するプロセスの一つである液相析出法について解説し、粒子界面物性の特徴とその電気化学反応について電池材料特性と関連させて解説する。 | |
4) | ポストリチウムイオン電池-Mg二次電池を中心に-(15:35~16:10) |
京都大学大学院工学研究科物質エネルギー化学専攻 教授 安部 武志 氏 | |
エネルギー密度の向上をはかるためにリチウムイオン電池を超える二次電池の探索が世界中で検討されている。本講演では、高エネルギー密度が期待できる二次電池系について概説し、その後、当研究室で精力的に研究を行っているマグネシウム二次電池について述べる。 | |
5) | 薄膜旋回ミキサーによる新しい電極材スラリー分散技術とその効果(16:20~16:55) |
プライミクス(株)電池デバイス対策部 テクニカルディレクター 大畠 積 氏 | |
従来電極材スラリー製造用に使用されてきたバッチ式混練装置に代わる薄膜旋回ミキサーによる新しい分散方法を紹介する。連続プロセスで電極スラリーの製造を可能にし、製造コスト低減を実現する。新電池材料に対応できる等分散機能の特徴と特性への効果について紹介する。 | |
6) | 革新電池としてのNa,Hへの期待(16:55~17:30) |
トヨタ自動車(株)電池研究部 部長 射場 英紀 氏 | |
プラグインハイブリッド車や電気自動車を革新するため、革新電池の研究を行っている。その構成材料や開発課題について紹介し、化学工学やセラミックス材料に対する期待を述べる。 |
定員
60名(定員になり次第締切)
参加費
主催・協賛団体個人会員19,000円、主催・協賛団体法人会員23,000円、会員外37,000円、大学・公設研究機関7,000円、学生3,000円、会員外学生5,000円 (何れもテキスト代、消費税含) )
※主催・協賛団体の支部以外に所属の場合でも主催・協賛団体所属としてお取扱いします。
※会員外の方へ:化学工学会正会員に入会されると26,200円([参加費:19,000円]+[年会費(5月~翌年2月)7,200円])でのご参加になります。また、法人会員(地区特別会員:30,000円/年額)へのご入会もご検討いただければ幸いです。詳しくは下記にお問い合わせ下さい。
申込方法
標記行事名を題記し、(1)氏名、(2)勤務先・所属、(3)連絡先(住所、郵便・電話番号)、(4)会員資格、(5)送金方法を明記のうえ、下記宛お申し込み下さい。参加費の送金は、銀行振込(りそな銀行御堂筋支店普通預金 No.0405228 口座名義「公益社団法人化学工学会関西支部」)をご利用ください。
※参加決定者には参加証を送付いたします(5月上旬)。
申込先
公益社団法人 化学工学会関西支部
〒550-0004 大阪市西区靱本町1-8-4 大阪科学技術センター6階
TEL: 06-6441-5531 FAX: 06-6443-6685 E-mail: apply(atmark)kansai-scej.org